和田洋子の想い

 
時を経て熟成する「本物」を求めて

本物の「木」と「土」と「石」を、職人の技で家にする「伝統構法」に、なぜこだわるのかをお伝えします。

私は、本物が好きです。本物とは、切っても切っても、同じもので出来ていて、ウソがないもの。うわべだけ、表面だけではないもののことです。

本物とニセ物とでは、時間とともに、その価値が逆の経過をたどります。本物は、その奥行きや深みを増していきます。いいワインやチーズが熟成していくように。使い込めば使い込むほど、なじんでいきます。ニセ物は、最初はピカピカしていてきれいでも、だんだん、みすぼらしくなり劣化していってしまいます。

photo_yoko_01

私は「本物の素材」での家づくりの設計に携わっています。本物の素材とは、「木」と「土」と「石」。深い色に、黒光りした柱。いい風合い味わいを増した土壁。本物の素材が、時間を経て熟成される価値は、何ものにも代え難いものです。また、その役目を終えた時には、本物の素材は、静かに土に還ります。

これらの本物のよさを最大限に引き出せるのが「伝統構法」と呼ばれる職人の手の技による建築技術です。別ページで詳しく説明しますが、まず、木の柱を基礎石の上に直立させる「石場建て」で立て、そこに金物を使わない「木組み」で家の軸を組み上げ、「土壁」を塗ります。

この「木組・土壁・石場建て」という三つの技術が揃ってこそ、そしてそれに誇りと喜びをもって仕事をする職人が居てこそ「木」と「土」と「石」という本物の素材のもつ力を最大限に活かせると考えています。

photo_yoko_02

最近の家づくりでは、工業的に作られた新建材が多用されていますが「このプラスチック、いい風合いになってきたね」とは言いません。同じ木でも、工業的に加工した木である合板や集成材は20〜30年すれば劣化してしまいます。コンクリートは100年もつでしょうか? ガレキとなっても土にも還らないでいるのを目にすると、人工的に作ったものの罪深さ、後ろめたさを感じてしまいます。

人生という有限な時間の中で仕事をしているのですから「本物が好き」という価値観を共有できるご家族の家を作らせていただきたい。そのように思っています。

photo_yoko_03

このWebサイトで私のスタンスを公開することが、「本物」を求められる方との出会いやご縁につながりますように。そのように願っています。

一級建築士事務所
有限会社バジャン
和田 洋子