1階の玄関をはさんで左手が広縁を備えた座敷空間、右手が濡れ縁のあるリビングダイニングとなります。
濡れ縁。深い軒を、二部屋の間口分通しの長さの縁桁がしっかりと支えています。ガラス戸、雨戸、障子をすべて引き込んで、開放的に使うことができるようにしました。
家の背面。壁には表面を焼いた杉板を縦に張りました。焼杉板は、耐久性がよいのです。
錆石を敷き詰めた玄関土間。家に上がらなくても、簡単に接客できるベンチコーナーを作りました。
2階にあがる階段のあるホールはゆったりと、六畳のスペースを確保しました。ホールの手前がご両親の部屋。ホールに出て正面に風呂につながる洗面所、右手にトイレを配置し、身の回りのことが最低限の動線でできるようにしました。車椅子の生活になっても、取り回しの利く広さです。
八畳の座敷。節のない上質な材料や木目の美しい天井板をふんだんに使いました。床の柱は縁起のいいエンジュの木です。照明器具は目立たないよう、天井にはめこみました。
冠婚葬祭や季節の行事など、お客様がある時にはつなげて使えるよう、座敷の隣に六畳の次の間が続いています。間仕切りの欄間は筬(おさ)欄間です。
夜景。障子ごしのやわらかい光が暖かい雰囲気を醸し出しています。